このたびのセミナーは、講師のお伝えしたい内容をより身近な距離で聞いてもらい、質疑応答も気楽にできる雰囲気を想定して、参加者40人ほどの小セミナーを開きました。講師も実際のアメリカの法廷で戦った経験から、多くの実例や訴訟に際しての戦略的考え方、重要な留意点などをお伝えするように努力しました。
第1部では、ヘンリー幸田から「米国知財訴訟勝訴のシナリオ」と題してお話しました。
【第1部】主な内容
- 米国訴訟の背景:米国訴訟が連邦法・州法の二重制であることや陪審審理が主となっていること
- 陪審制の歴史的背景(ギリシャ、英国、米国)
- 米国訴訟のプロセス(訴答、証拠開示、陪臣審理)
- 米国陪臣の傾向(各地の連邦地方裁判所で異なる判決傾向、人種構成)
- 陪審評決のメカニズム
- 陪審説得のポイント
- 日本企業の課題
(弁護士との相互理解、証言・通訳の準備、陪審とのコミュニケーション、モック・トライアルの活用)
第2部ではライアン・ゴールドスティンから、「米国訴訟におけるコストコントロール」についてお話しました。
【第2部】主な内容
- 米国訴訟の平均的訴訟期間
- 証拠開示が訴訟費用の半分近くを占め、特にe-discoveryに要する費用 が莫大なものであること
- 米国特許訴訟の平均的な費用
- 訴訟弁護士を選ぶポイント
- 様々な組合せのある成功報酬制(まず希望を表明すべき)
- 証拠開示の費用をコントロールするための六つのステップ
- 証言録取(デポジション)対応の重要性
- 特許訴訟の費用コントロール
- パテント・トロールの効果的防御法
- 調停と和解
セミナーは終始リラックスした雰囲気で行われ、質疑応答も活発でした。セミナー終了後には、レセプションを開催しました。参加者が限定されたので皆様全員にご招待状をお送りできませんでしたが、今後このような小セミナーを順次開き、より多くの方に実例を交えた実践に役立つお話をお聞きいただきたいと思っています。
第1部で講師を担当した
ヘンリー幸田
第2部で講師を担当した
ライアン・ゴールドスティン
セミナー終了後に開催された、
レセプションの様子