クイン・エマニュエル法律事務所では定期的にセミナーを実施しております。
第3回を迎える今回は、アメリカの訴訟実態の紹介と共に、特に高額な費用のかかるディスカバリーやトライアル段階の費用を抑える方法、弁護士報酬の成功報酬制や、報酬上限の合意、いつどのようなときに日本の弁護士を利用するのが効果的であるかなど、訴訟の初期段階から、訴訟費用を総合的にコントロールする様々な実務的な方法をご紹介します。
特に知財の紛争においては、貴重な時間とコストをかけて取得した知財(特許、商標権、著作権など)を有効活用し収益に変えるのは、不況下の日本経済にとっても重要な課題です。また、知財権の侵害クレームに対しての防禦を効果的に行うことも同様に重要です。ところが「米国での訴訟費用は高額だ」、「幾らくらいかかり、どの法律事務所に相談してよいか分からない」などの不安を抱えておられる人も多くおられます。このセミナーが御社の訴訟におけるコストコントロールに有益な情報を提供し、特に知財分野での知財の有効活用を検討する契機となれば幸いです。
講師:ライアン・ゴールドスティン
日本では、一般的にアメリカは訴訟費用が非常に高いというイメージがあり、アメリカでの訴訟を恐れるという風潮があります。しかし実際には様々なコストコントロールの方法があるのです。まず最初に、なぜアメリカの訴訟費用、特にディスカバリーの費用がそんなに高いのかを理解する必要があります。単純に示すと、書類の収集からデポジションにいたる様々なディスカバリーの手続きを正しく行うためには大変な時間がかかります。加えて、アメリカでディスカバリーの責務を果たさなかった場合のペナルティーは非常に大きいのです。
これからどのようにコストコントロールができるかについて幾つかの方法をお話します。驚くかもしれませんが最も大切なことは、あなたが代理人である弁護士とスムーズなコミュニケーションが取れるということです。そしてあなたの弁護士が、あなたと関連の証人の双方とも良いコミュニケーションが取れるということです。このことがあらゆる努力をスムーズにさせ、証人自身もアメリカの訴訟に際して負う義務を明確に理解できるのです。
加えて、私は3つの段階(e -ディスカバリー、証拠収集、データ分析・整理)を含む実際のコストコントロールの方法についてお話します。
講師:ジョン・クイン
訴訟コストのコントロールは、実際に豊富な訴訟経験を積んだ弁護士(団)を選ぶことから始まります。そのことは、あなたの代理人である弁護士が沢山の証拠を調査するに際し、何が大切なのか、何が大切でないのかを見極め、時間やお金を無駄にしないことにつながるのです。
まず弁護士を選ぶと、被告としてまたは原告として、成功報酬から様々なタイプの柔軟な訴訟費用の設定にいたるまで、ここにまとめたように様々なコストコントロールの方法があります。特許のケースはユニークな問題を提起します。しかし私は、これらのコストについてもコントロールできる方法について説明します。
最後に訴訟ではなく仲裁や和解についても、どのように費用のキャップ制(上限制)を適用できるかを検討しております。
講師:ヘンリー幸田
アメリカ訴訟におけるコストパフォーマンスについてお話しました。
【第1部】主な内容
- コスト・パフォーマンスに関する基本的アプローチ
- 訴訟コスト抑制のポイント
- 訴訟利益拡大のポイント
- 訴訟管轄の比較
- 成功報酬制度の活用
セミナー終了後はレセプションが開催され、クイン・エマニュエル法律事務所の弁護士たちがホスト役として、参加者の皆様と情報・知識・意見の交換会が和やかに行われました。 参加者の皆様はセミナー中に聞く事が出来なかった質問をするなど、楽しげにクイン・エマニュエルのメンバーとコミュニケーションをはかり、充実した様子の時間を過ごされていました。ご参加いただきました参加者の皆様、ありがとうございました。第4回セミナーでまたお目にかかれることを楽しみにいたしております。
講師を担当したライアン・ゴールドスティン
講師を担当したジョン・クイン
講師を担当したヘンリー幸田